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NEWS LETTER

2025.12.02 NEWS LETTER

【 “経営者と国際相続”のためのマネーロンダリング規制(AML・KYC)の壁】

【 “経営者と国際相続”のためのマネーロンダリング規制(AML・KYC)の壁】
~海外送金・海外からの受取とマネーロンダリング規制の基本と最新動向~ 

よく実務上で当たる壁になっています。
弊社のお客様も、以前地方銀行で米国からの送金受取りの審査許可が下りずに、着金までに2か月を要したことがありました。

✥ 本News Letterでは、
経営者と国際相続の場面での「海外送金・海外からの送金受取」とマネーロンダリング規制に焦点を当て、
Ⅰ.AML・KYCの基本
Ⅱ.なぜ国際送金・国際相続で銀行が厳格化するのか
Ⅲ.よく止まる場面と実務上の注意点
Ⅳ.今後の見通しと経営者・相続人が準備すべきこと
を整理して解説いたしました。

Ⅰ.AML・KYCの基本

近年、マネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金供与を防止するため、

世界的にAML(Anti-Money Laundering:マネーロンダリング対策)規制が強化されています。
日本でも「犯罪収益移転防止法(犯収法)」にもとづき、法人や個人事業主が国内外へ送金する際、金融機関から詳細な情報や資料の提出を求められるケースが増えています。

☛さらに、海外資産が絡む国際相続の場面では、相続人や遺産管理人による送金・受取が通常よりも厳しく審査されることが一般的になりました。

「この書類では受け取れません」
「追加で本人確認が必要です」
「資金の出所(Source of Funds)を説明してください」

国際送金や国際相続を経験された方なら、一度は耳にしたことのあるフレーズかもしれません。
これは「お客様が怪しいから」ではなく、銀行がAML・KYC規制に対応する責任を負っているからなのですね。

1)AML・KYCとは何でしょう?
✥ AML(Anti-Money Laundering)=マネーロンダリング対策
犯罪収益やテロ資金など「不正な資金」が正当な資金であるかのように見せかけられることを防ぐための国際的な仕組みです。
各国の金融機関は、法令にもとづき厳格なチェックを行う義務があります。
✥ KYC(Know Your Customer)=顧客確認
銀行が取引を行うにあたり、
⊡ その人が本当に本人なのか
⊡ 不正な資金ではないか
⊡ どのような関係性・背景を持つ取引なのか
を確認するプロセスです。

これらを怠ると、銀行自身が多額の罰金や行政処分の対象になるため、銀行は「慎重すぎるほど慎重にチェックする」プレッシャーの中で業務を行っています。

2)国際基準と日本の法制度はそうなっている?
✥ FATFによる国際基準
AML規制(マネーロンダリング対策)の国際枠組みを主導しているのがFATF(金融活動作業部会)です。このAML規制は、FATFの国際基準に基づき、各国が法律・ガイドラインとして整備しています。
各国はFATF勧告に基づき、金融機関に対し、
⊡ 本人確認(KYC)
⊡ 取引モニタリング
⊡ 疑わしい取引の届出
⊡ 送金時の情報記録
⊡ 実質的支配者(UBO)の確認
などを義務付けています。

✥ 日本の「犯罪収益移転防止法(犯収法)」

一方、日本では「犯罪による収益の移転防止に関する法律」がAML規制の中心です。
送金時に金融機関は、
⊡ 送金依頼人(法人・個人)の本人確認
⊡ 取引目的の確認
⊡ 事業内容の確認
⊡ 受取人の情報(氏名・所在地・関係性など)の確認
⊡ 継続的取引の場合のリスク評価
を行います。
特に法人の場合、実質的支配者(UBO)の特定が重視されます。

Ⅱ.なぜ国際送金・国際相続で銀行が厳格化するのか
なぜ国際送金・国際相続では銀行が「急に」厳しくなるのでしょうか
国際送金、とりわけ国際相続に絡む送金は、銀行から見るとリスクの塊です。
⊡ 本人(被相続人)がすでに亡くなっている
⊡ 別人(相続人・遺産管理人)が出金や送金を依頼してくる
⊡ 相続人が海外在住であることが多い
⊡ 多額の資金移動が一度に発生する
⊡ 家族関係や書類の真偽を遠隔で確認しにくい

そのため銀行は、
「このお金は本当に正当な相続か?」「違法な資金洗浄ではないか?」
を証明するため、通常のビジネス送金以上に厳しい書類チェック・質問を行うことになります。

また、ロシア関連制裁やテロ資金対策、暗号資産の普及などを背景に、国際送金全体の審査が年々厳格化しており、高リスク国やタックスヘイブンへの送金は特に慎重に扱われます。中継銀行で保留され、1〜3週間以上送金が止まるケースも珍しくありません。

Ⅲ.よく止まる場面と実務上の注意点

次にAML・KYCでよく止まる場面と理由です!
国際送金・国際相続で実務上よく問題となるポイントを、
代表的なケースで整理しました!

≪ケース①:相続人・経営者側の身元確認書類が不十分≫
⊡ パスポートの署名が異なる
⊡ 住所が最新でない
⊡ 住所証明・サイン証明が欠けている

海外銀行は「本人確認の確実性」を最重視するため、ほんの少しの不一致でも差し戻しの対象になります。

≪ケース②:被相続人・法人資金の「出所(Source of Funds)」が説明できない≫
銀行は、亡くなった方の財産や、法人が保有する海外資金についても、
⊡ 給与収入か
⊡ 事業収益か
⊡ 不動産収入か
⊡ 投資収益か

といった「お金のルーツ」を確認します。
そのため、場合によっては10年以上前の資料(過去の通帳、決算書、給与明細など)を求められることもあります。

≪ケース③:送金先口座が「ハイリスク」と判断される≫
相続人が海外に住んでいる場合や、高リスク国・地域の銀行口座へ送金する場合、銀行は
⊡ 送金先が制裁対象国ではないか
⊡ 受取人側の銀行が十分なKYCを行っているか
もチェックします。その結果、送金先銀行のKYC情報の提供を求められることがあります。

≪ケース④:家族関係の証明不足≫
⊡日本の戸籍謄本
⊡ 海外の出生証明書
⊡ 婚姻証明書
など、国をまたいで家族関係を証明する必要があるため、書類が複雑になりがちです。整合性が取れないと、KYCが通らず手続きが止まります。

≪ケース⑤:書類は正しくても「説明」が足りない≫
AML・KYCは書類の束を出せば終わりではありません。
銀行担当者が理解できるように、
⊡ 手続きの目的
⊡ 家族関係・取引関係
⊡ 資産内容・金額の妥当性
⊡ 各書類の位置づけ
をまとめた背景説明文(Cover Letter)を添付することで、審査がスムーズになるケースが多くあります。

Ⅳ.今後の見通しと経営者・相続人が準備すべきこと
✥ 対 策
経営者・国際相続人が押さえるべき実務として、
国際送金・国際相続に共通する「準備と説明」のポイントは次の通りです。

①必要書類を早めに準備・翻訳する
特に相続関連書類は英訳が必要なことが多く、認証付き翻訳(Certified Translation)を求められる場合もあります。

②送金目的を簡潔かつ明確に説明する
「相続財産の受領」「海外子会社への貸付金返済」など、銀行が理解しやすい文章で目的を記載します。

③資金の出所を説明できるように整理しておく
被相続人・法人の資産形成の経緯(給与・事業・不動産・投資など)を、資料とともに説明できるようにしておくと、AML審査に強くなります。

④送金先・受取先のKYC情報も整える
受取人側の銀行が要求する本人確認書類や住所証明も含め、双方でKYCが完結するよう準備することが重要です。

⑤金融機関とのやり取りは記録を残す
提出日、担当者名、求められた追加資料の内容などを残しておくと、中継銀行で止まった際にも原因を特定しやすくなります。

✥ 今後の見通しと戦略的な向き合い方
FATFの勧告や各国の制裁強化により、
⊡ 国際送金
⊡ 海外資産の相続
⊡ 海外在住相続人への支払い
などの分野では、今後もAML・KYC対応はさらに厳格化していくと予想されます。
金融機関は「リスクベース・アプローチ」に基づき、顧客ごと・取引ごとにリスクを評価し、審査の強度を変える方向に進んでいます。

したがって、経営者・相続人にとっては、
⊡ オンラインで事業実態が分かる情報整備(HP・登記情報等)
⊡ 契約書・決算書・税務資料などデジタル証跡の整理
⊡ どの国・どの資産から先に動かすかという「優先順位の設計」
が、今後ますます重要になります。

 = Note =

壁は実は「法律」ではなく「銀行のAML」の国際ルールだったのですね。
国際送金・国際相続の手続きが止まる原因は、多くの場合、相続法や会社法そのものではありません。真の壁は、
マネーロンダリング対策(AML)
顧客確認(KYC)
国際送金規制
反テロ資金対策
といった金融の国際ルールです。

このルールを理解し、銀行が求める情報と書類、そして分かりやすい「説明」をあらかじめ準備しておけば、手続きは驚くほどスムーズになります。
そして何より、AML・KYCの実務に精通した専門家とともに進めることが、経営者にとっても国際相続人にとっても、最短で安全なルートと言えるでしょう。
writer: Kiyomi Kindaichi / 金田一喜代美


2025年12月1日 「Diversity」

先日”東南アジア連合三田会”の出席でシンガポールの空港に行った際、お掃除ロボットくんと出会いました。
おかげで空港の通路はピッカピカで気分もUPです!
にこやかに ありがとう~の挨拶^^  

★ さて、最近身近では、人間と"熊" の陣地取りが深刻な問題となってきています。
ここで厄介なのは"熊" には人間の作ったルールが通じないという点でしょうか…。
“人をむやみに殺傷してはいけない“ は"熊" にとっては無関係のルールです。
この、ルールが通じない生物と命をかけたアウトローの争いには、無生物であるドローンもロボットウルフも総動員されています!
こうして、人間の世界にはルールの通じない生物とロボットなどの個体のある無生物もどんどん進出してきていて、本当の意味のダイバーシテイの共存になりつつあると感じています。

近未来、"熊" や個体ロボットが人の手を離れて、勝手にマネーロンダリングをしたら人間はどんなルールで裁くのかな?
きっとそんな時代も来るのではと。。。
みなさまはどう思われるでしょうか。

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