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NEWS LETTER

2025.10.29 NEWS LETTER

【 海外に不動産を持ったときの税金・・】 No3. 海外不動産の相続税対策として実務で有効なスキーム

★法人が海外に不動産を購入・保有・売却する場合、どのようなスキームがあるのだろうか。
最近の流行のスキームと、それにまつわるリスク。
前回に続いての第3回目は相続税対策編としてお伝えいたします!

NO.3

前2回に続きまして、相続対策として海外不動産を所有する場合、どんな方法が有効なのか。。
今回5つのパターンで有効スキームを検討してみました。
(※各国のローカル税制・条約・資産規模・家族構成で結論は変わります。
本稿では日本相続税を主軸に海外不動産を前提とした一般的な実務論点となっています)

■1■ 相続対策のためのよくある5つのパターン
(凡例)
A.目的・効能(相続目線) B.主な税務評価の論点(日本)
C.主なリスク/留意点    D.向いているケース

1)日本の資産管理会社で海外不動産を保有した場合
A.
・相続財産を → “株式”に 置換し承継設計を柔軟化(議決権・分割の容易性)
・(結果として)株式は原則“純資産価額ベース”で評価
→実在債務が反映されやすい
B.
・未上場株式は規模等で評価法が変わるが資産管理会社は純資産価額方式が基本。
・純資産=資産-負債なので実在の借入や、適正な修繕引当・未払費用等が反映され、評価が“実態”に近づく。
・少数株主ディスカウントは日本では原則認められない点に注意
C.
・節税は適正評価の反映に留まる。
・維持コスト/決算開示/税務調査対応が必要。
・資産管理会社は事業承継税制の対象外になりやすい。
D
・複数相続人で分割・議決権設計を重視したい⇒長期保有前提。

2)海外SPC(現地LLC/Ltd等)で保有し、日本居住者はその株式を保有
A.
・株式承継により分割と管理の柔軟性
一部の国では相続税の課税資産区分に影響し得る(※国別に慎重確認)
B.
・日本の相続税評価は、外国法人株式は基本的に時価評価だが実際には日本の未上場株評価の考え方を準用する場合も多い。
(入手可能な財務情報と実態がカギ)。
・為替は評価日に直物換算
C.
・CFC税制に注意(実体のないペーパーはNG)。
・現地の会計・登記・税務コンプライアンス負担。
・間接移転課税や源泉税など国別論点あり。
D.
・現地で融資/管理がしやすい。
・国際相続が想定され現地実務体制があること。

3)デット(ノンリコース等)を適正活用
A.
・純資産の圧縮(資産-負債)で評価が実態に近づく
・レバレッジで運用効率を確保
B.
・個人直保有でも法人保有でも、実在債務は相続税で控除可。
(相続人が承継する債務/返済原資がある等の実態が必要)。
・法人保有なら株式側の純資産に反映可。
C.
・循環取引/見せ金/過大債務は否認リスクになる。
・不動産価値下落時のエクイティ毀損になる。
D.
・長期保有×安定キャッシュフロー。
・現地ノンリコースを組めるのは信用力がある

4) 生命保険との併用(納税資金対策)
A.
・相続税の即時現金化(納税資金)
・受取人指定で承継設計
・非課税枠(法定相続人×500万円)の活用
B.
・保険金は相続税の課税対象だが、上記非課税枠が使える。
・為替リスク/保険通貨の選定が重要。
C.
・保険コスト・医的査定が必要。
・国際保険商品の場合は税務取扱いは商品毎に確認必要。
D.
・不動産偏重で流動性不足な家計にはベスト。
・納税タイトが予見される場合にベスト。

5) 家族信託(受益権ベースの承継設計)
A.
・認知・後見リスクに備えた管理継続
・受益権の分割で揉めにくい
・遺言の代替案
B.
・課税は日本は受益権評価が基本。
・設定/移転時
・受益者連続時に贈与/相続課税が生じ得るため設計がポイントになる。
C.
・国際案件は難度高(現地登記・受託者管理・税務申告)。
・租税回避目的の信託は否認リスクあり。
D.
・認知症対策や長期ガバナンスが重要となる場合。
・海外不動産×国内受託者など複雑な構造を厭わない場合。

■2■ 検討のポイント
さまざまなパターンからおわかりのように、海外資産を法人で保有すること自体が自動的に節税等になるわけではないことがポイントですね。
まずは、実在債務・コスト・ガバナンスを正しく写す構造を作った上で、分割と納税資金の問題を解くのが安全方途になります。

■3■ 具体的なシミュレーション
次のようなケースで検討してみますと・・。
(ケース)
・米国に評価額:2億円の不動産
・借入金:8千万円 (賃料:年間1200万円)
・相続人:妻、子2名の3名
⇒相続税のざっくり試算(1.2億円課税ベース/妻1人+子2人)
課税取得額合計1.2億円:相続税合計1.4~1.6百万円(妻(1/2)6千万円課税額:税約5~6百万円、子(1/4)3千万円課税額:税約4~5百万円×2名)

※配偶者控除で実質0でも可。

★次の代表的な3つのケースで検討を重ねる。。
「1)個人直保有」「2)日本資産管理会社」
「3)海外SPC保有」について
シミュレーションを基に下記の項目を列挙しています。
(凡例)
A.評価額 B.課税対象資産 C.日本の相続税評価方法 D.概算課税対象
E.相続税概算(配偶者控除前等) F,納税資金方法 G.分割のしやすさ
と争族リスク H.維持コスト I.節税余地 J.その他

1)個人直保有した場合
A. 2億円(不動産時価) - 8,000万円(借入)= 1億2,000万円
B. 米国不動産→ 日本では全世界財産課税
C. 不動産時価をベースに(円換算)
借入金は債務控除可能
D. 1.2億円
E. 相続税速算表を基準に試算(法定相続分:妻1/2・子1/4ずつ)
課税ベース1.2億円 → 相続税概算 約1,400万円~1,600万円
F. 不動産を売却 or 借換 or 生命保険
G. 不動産の共有になるため揉めやすい(1物件を3人で分割)
高い:不動産の共有・運用意思決定が複雑
H. 低(固定資産税・管理費)
I. △(債務控除で一定の圧縮効果)
J. 相続発生後は換金化しないと納税資金が厳しい可能性
共有登記はトラブルの温床

2)日本資産管理会社
A. 純資産 1億2,000万円 → 株式評価額に反映(原則純資産価額方式)
B. 日本法人株式
C. 純資産価額方式(簿価-負債)
レバレッジ・将来修繕費等も反映可
D. 1.2億円
E.  1)と同等(株式評価ベース)
F.  株式譲渡/配当/会社で借入可
G,  株式分割が容易(議決権調整可)
低:株式で分けやすく、議決権設計も可能
H.  中(法人維持費・会計・税務)
I.  〇(純資産価額算定+株式設計)
J. 議決権、株式割合の設計で事前承継しやすい
保険・退職金スキーム併用可

3)海外SPC
A. 株式評価額 1億2,000万円(時価または財務資料次第で上下あり)
B. 外国法人株式(米国SPC)
C. 日本評価は外国法人株式として時価または純資産価額的に算定可能
(資料の入手性が鍵)
D. 1.2億円
E. 1)と同等(外国株式評価ベース)
F. 株式譲渡 or 現地SPC借入 or 保険
G, 株式分割が可能(ただし現地登記・ガバナンス設計必要)
中:設計次第。現地管理コストと透明性の確保がカギ
H.  高(現地法人維持費+国際税務対応)
I.  〇(評価調整の余地あり、ただし要実体)
J.  現地SPCの実態が重要(CFC税制や情報交換)
相続評価に必要な財務資料の整備が必須。

■4■ ケースからみた分析結果
上記結果から3パターンのメリット・デメリットを下記に一覧表にしてみました。

★これらのケースからいえるのは、税額自体はどちらのスキームも、概要として大きな格差はなかったことでした。
(債務控除後1.2億円課税ベース)
そこで相続対策で重要なポイントは!
1. 納税資金をどう用意するか(換金性・保険・法人借入)?
2. 分割しやすい形(株式 vs 不動産共有)かどうか?
3. ガバナンス・承継設計(議決権・受益権)に複雑性はないか?
その観点からでは、このケースの規模(2億円級)では「日本資産管理会社での保有」+「適正な借入+保険併用」 が最もバランスの取れた設計になりやすそうということでした。

= Note =
それでは。。。
相続対策の実務設計の際どのような点を重視したいらいいのでしょう。。
1.まずは、保有形態の決定といえます
⇒ 個人直所有にするか法人所有か
(ケースでは法人化を検討する価値はやはり高そう)
2.次にキャッシュフローの裏付け
借入金にした場合、そして繕費費固定費を含めた評価圧縮のレバレッジと
その賃料とのキャッシュフローの裏付けができるかどうか。。
3.不動産を分割しやすい方法
そして、妻と子2人に分けやすい形を事前に設計するわけですが
それが株式分割であれば議決権も含めた承継設計が必要といえます。
4.納税資金と出口戦略
その上で、納税資金の確保として生命保険の加入や、
法人資金繰りと出口(売却計画)はいつにするかなど。。
最後に、シミュレーションの結果からは、
海外SPCは現地融資などの利用などの目的は補助的に活用し、あくまで主たる承継主体は日本側(日本資産管理会社)に置くというのが海外不動産の所有では有効な相続対策と言えそうです。

writer: Kiyomi Kindaichi / 金田一喜代美

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Back Number 海外不動産編
★NO.1 では 「個人VS.は法人 だと何が違うのだろうか?」
★NO.2 では「海外不動産を法人で持つ」節税スキームと、そのリスクの整理。
★NO.3 では「海外不動産による有効な相続対策」はあるのだろうか。

=Editor's Note= 『LEPON COMET』

2025年10月初秋 「北極圏の夜明けと上弦の月」

先日、視察でミュンヘンとチューリッヒに行く途中の写真です。
飛行機の航路はアラスカ北方からベーリング海峡を抜けて、北極圏を通過、そしてグリーンランド北部で夜明けのタイミングに遭遇しました。

★窓のシェードを開けるとそこに美しい光景が広がっていました。
見えるのは “北極海の広大な白い氷原や氷山” でした。
うまく撮れなかったですが左上は『上弦~満月の月』。
白い氷の湖面にも月がキラキラ映っていました。
北極圏では、太陽が地平線すれすれの高さを移動するので白夜や極夜の時は夜明けや夕暮れが長く続いて、夜明け前でも空がほんのり青く、上空1万メートル以上の巡航高度だと大気が澄んでいます。
なので、地上よりもはるかに月がくっきり明るくシャープに見えるそうです。
氷の白と海の濃い青のコントラストがはっきりくっきり?
ルフトハンザ航空はこの航路を使うようですので、ヨーロッパお出かけのときは一つの選択肢かなと思っています。
機会があれば次はオーロラみたいなぁ^^
みなさまはいかがでしょうか。

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